研究概要 |
平成19年度は、国内における聾学校及び医療機関の人工内耳担当者の相談支援活動、及び海外における教育現場での人工内耳装用児の支援現状を分析し、有効なリハビリテーションプログラムを提言し、人工内耳に関わる医療サイドと教育サイドの総合的な相談支援システムの在り方を明らかにすることを目的として、以下の研究を推進した。1)日本耳鼻咽喉科学会が新生児聴覚スクリーニングの精査病院として認定している(大学)病院に勤務する耳鼻咽喉科所属の言語聴覚士、及び全国聾学校に勤務する教育相談担当教員に対して、人工内耳装用児のリハビリテーションプログラム、教育的支援の実際について、郵送自記式質問紙法調査及び実地調査(長崎県立ろう学校、筑波大学附属聴覚特別支援学校、札幌医科大学)を実施した。質問紙法調査及び実地調査により、国内外における人工内耳装用児のリハビリテーションについて、医療、教育(療育)の両面から現状と課題を整理できた。2)聾学校教員及び大学教員に研究協力者を依頼し、研究協議会を開催し、教育現場における実践上の課題について情報交換した。3)国内の聾学校(札幌聾学校、室蘭聾学校、長崎ろう学校)及び茸鼻医(札幌医科大学、神田クリニック)を訪問し、資料収集した。また、人工内耳に関する研修会に参加し、情報収集した。4)アメリカ合衆国における人工内耳について特徴的なプログラムを有している教育機関(Central Institute for the Deaf,The Moog Center for Deaf Education, Auditory Verbal Center)を訪問し、小児聴覚リハビリテーション、乳幼児期からの家族支援、メインストリーミングした児童生徒へのアウトリーチプログラム、オーディトリーバーバル法による資料を収集した。
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