研究概要 |
今年度の前半は,角皆宏氏と安田正大氏との共同研究であるGrothendieck-Teichmueller群上の調和方程式に関する研究のequianharmonicな場合に相当するpartを論文"Harmonic and equianharmonic equations in the Grothendieck-Teichmueller groups,III"として完成させた.この論文は,J. Inst. Math. Jussieu誌に投稿し,査読を受け,まもなく掲載決定の通知を受け取ることができた. また,平行して大学院生の星野謙二氏とともに種数1のグロタンディークデッサンのBelyi関数の計算について議論を続けた.関連して昨年度Klein曲線にdominateされる楕円曲線から生じるものについてElkiesの仕事を利用してBelyi関数を決定した結果は,星野謙二氏の三角形群の包含対から生じるBelyi関数の決定に関する論文 "The Belyi functions and dessin d'enfants corresponding to the non-normal inclusions of triangle groups"の付録"Belyi function on X_0(49)of degree7"(共著)として,Math.J.Okayama Univ.誌に投稿されていたが,査読を受け掲載決定の通知を受けた.今年度の後半は,ニース大学のZ.Wojtkowiak氏との1進反復積分の関数等式に関する共同研究を完成させることに努力し,特に昨年度までの段階でやり残していた実例計算を継続的に遂行した.1月後半からニース大学に出張して,共著論文"Tensor and homotopy criterions for functional equations of1-adic and classical iterated integrals"をpreprintの形に仕上げることができた.続いて訪れた2月初めの週のOberwolfach数学研究所での研究集会"The Arithmetic of Fields"で,講演を依頼されたため,この論文の成果について口頭発表を行った.
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