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2009 年度 実績報告書

確率セルオートマトンへの超離散化および逆超離散化の研究とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19654016
研究機関東京大学

研究代表者

時弘 哲治  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10163966)

キーワードセルオートマトン / 反応拡散系 / 確率モデル / 超離散化 / 逆超離散化
研究概要

今年度は等方的な時間発展パターンを生成するCAのより一般的な構成手法を構築した.この等方CAの構成手法は反応拡散方程式で記述されるすべての系に対して適用可能である.中心的なアイデアは,拡散の効果を粒子のランダム・ウォークとして定式化し,非線形相互作用による時間発展を離散ベクトル場によって表現した点である.この手法では,拡散係数その他のパラメータが自然な形で導入される.論文提出者は,ひとつの例として,この手法をBZ反応に応用し,等方性の実現や時間発展パターンの適切なパラメータ依存性を実現した.
さらに,この手法をバクテリア・コロニーの成長パターンに応用することで,Bacillus subtilisおよびProteus mirabilisと呼ばれるバクテリア族が形成するコロニーの成長パターンをCAモデル化し,いくつかの実験結果との検証を試みている.Bacillus subtilisを寒天ゲル上で培養すると,培地の硬さと寒天の栄養濃度に応じてモルフォロジー・ダイアグラムと呼ばれる多様なパターン・ダイアグラムを形成することが知られている.このモルフォロジー・ダイアグラムはを単一のCAモデルで説明した例はなかったが,ランダムウォークを取り入れた構成法によって,すべてのパターンを等方的に再現するCAモデルを構成した.また,中央大学のグループによるBacillus subtilisに対するより詳細な複数の実験が行われているが,この構成したCAを用いて詳細な実験結果の再現も試みた.その結果,コロニーの切除や時間遅れの実験などすべての実験がこのモデルにより非常によく再現できることを示した.
以上の結果は現在2本の論文として投稿中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Derivation of a differential equation exhibiting replicative time-evolution patterns by inverse ultra-discretization2009

    • 著者名/発表者名
      H.Tanaka
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 78

      ページ: 034002

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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