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2008 年度 実績報告書

ロウソクの同期振動現象に対する数理モデルとその数理解析

研究課題

研究課題/領域番号 19654017
研究機関金沢大学

研究代表者

長山 雅晴  金沢大学, 数物科学系, 准教授 (20314289)

キーワードロウソク振動子 / 結合振動子 / 同期現象 / 数理モデル / 位相縮約 / 輻射相互作用 / 位相応答曲線
研究概要

複数のロウソクを束にするとロウソク火炎が振動する現象はよく知られている(以降、この振動するロウソクの束をロウソク振動子と呼ぶ).2006年に2組のロウソク振動子を並べたとき,その距離に依存して同位相振動と逆位相振動を起こすことが実験によって報告された.ロウソク振動子の振動現象は酸素の供給不足が原因となって起こることは知られているが,ロウソク振動子の同期現象に対してその機構は明らかになっておらず,結合振動子系に対する数理的理解という視点から同期現象の本質的機構を明らかにすることは重要である.そこでこの同期現象(同位相,逆位相)が引き起こされる機構に対して数理モデルを用いて明らかにすることを目的として研究を推進してきた.今年度は昨年度構成した数理モデルに対して,同位相同期現象と逆位相同期現象の安定性を調べた.そのために位相縮約を行い,ロウソク振動子モデルから振動子の位相のみを記述する位相方程式の導出を行った.本研究では数値計算によって「位相応答曲線」を求め,その「位相応答曲線」の数値データを用いて位相方程式の解析を行った.この結果,距離が近いと同位相同期解が安定となり,距離が離れると逆位相同期解が安定に現われ,適当な距離においてはほとんどの位相差で逆位相同期解が安定になることがわかった.さらに,3組のロウソク振動子に対する同期現象の実験を行った.その結果,適当な距離では3組のロウソク振動子のうち2組が同位相同期し,他の1組のロウソク振動子が2組のロウソク振動子と逆位相同期することがわかった.この現象に関しても3組のロウソク振動子モデルを構成し,位相縮約法による解析によって2:1の逆位相同期解が安定に現われることを明らかにした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Bifurcation of self-motion depending on the reaction order2009

    • 著者名/発表者名
      M. NAGAYAMA
    • 雑誌名

      Physical Chemistry Chemical Physics 11

      ページ: 1085-1090

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Periodic transition sequences of scattering patterns in a three-component reaction-diffusion system2008

    • 著者名/発表者名
      M. YADOME
    • 雑誌名

      Bullet in of the Institute of Mathematics, Academia Sinica Now Series 4

      ページ: 589-602

    • 査読あり
  • [学会発表] ロウソク振動子の数理モデル2008

    • 著者名/発表者名
      長山雅晴
    • 学会等名
      日本応用数理学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://blossoml.s.kanazawa-u.ac.jp/professor/research.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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