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2009 年度 実績報告書

確率非線形分散型方程式の可解性と解の漸近挙動

研究課題

研究課題/領域番号 19654025
研究機関京都大学

研究代表者

堤 誉志雄  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)

研究分担者 吉田 伸生  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40240303)
キーワード函数方程式論 / 確率論 / 数理物理 / 応用数学
研究概要

今年度は,加法的ノイズが付加された非線形シュレディンガー方程式である,Lugiato-Lefever方程式を研究した.この方程式は空洞共振器の数理モデルを記述する方程式であり,空洞ソリトンという物理的に重要な空間的に局所化した定常解を持つ.昨年度は,確率項を付加しない方程式を考え空洞ソリトンの存在を証明したので,今年度はLugiato-Lefever方程式に確率項を付加し,Freidlin-Wentze11型の大偏差原理を調べることにより,ある意味での空洞ソリトンの安定性を研究した.確率的摂動が着かないときに安定な空洞ソリトンに対しては,任意有限時間に制限すれば,確率項が小さくなるにつれ,解が空洞ソリトンの近傍から飛び出す確率は2乗指数的に減少することを示した.これは大偏差原理に対応するが,速度汎関数を用いたより精密な解析は将来の課題として残った.さらに,どんなに小さな確率摂動であっても,加法的ノイズの場合は,ほとんど確実に解は時間に関し非有界となることを示した.これは,前者の結果において,時間区間を無限に取ることはできない三とを意味している.このため,今後は空洞ソリトンの近傍から解が飛び出す時刻(すなわち,退出時刻)の評価が重要な問題となるであろう.
また,平成21年11月30日-12月1日の期間京都大学で"Stochastic Problems and Nonlinear PDEs"と言う国際研究集会を開き,内外の専門家に講演してもらうとともに意見交換を行った.特に,大偏差原理を確率非線形発展方程式に応用する研究の専門家であるEric Gauthier氏を,この機会に招聘し研究連絡を行った.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Central limit theorem for a class of linear systems2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Nagahata, N.Yoshida
    • 雑誌名

      Electro.J.Probab. 14

      ページ: 960-977

    • 査読あり
  • [学会発表] Stability of cavity soliton for the Lugiato-Lefever equation with additive noise2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Tsutsumi
    • 学会等名
      Analysis of Nonlinear Wave Equations and Applications in Engineering
    • 発表場所
      BIRS, Banff, Canada
    • 年月日
      2009-08-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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