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2007 年度 実績報告書

Loewner方程式の幾何学的函数論および確率過程への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19654027
研究種目

萌芽研究

研究機関広島大学

研究代表者

須川 敏幸  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30235858)

研究分担者 盛田 健彦  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00192782)
吉野 正史  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00145658)
永井 敏隆  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40112172)
岩田 耕一郎  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20241292)
柳原 宏  山口大学, 工学部, 准教授 (30200538)
キーワードLoewner方程式 / 幾何学的函数論 / 単葉函数 / SLE / 双曲計量
研究概要

今年度は当初招聘予定であったウクライナのGutlyanskii氏と連絡が取れなかったため,代わりにドイツよりOliver Roth氏を約1ケ月招聘し,Loewner方程式およびSLEに関する連続講義を行ってもらった.特に,Loewner方程式の基本的性質や,現在の研究の最先端,さらにはSLEにおいてLoewner方程式がどのような役割を果たしているかなど,研究の基礎となる知識を提供して頂いたことはまことに有意義であった.
また同時に,Loewner方程式はもとより,幾何学的函数論,錐特異悔を持つ双曲計量などについてRoth氏と共同研究を行うことができた.特に,与えられた錐特異性を持つ双曲計量の存在については,考えている面がコンパクトである場合はLiouvlle, Picard,Heinsらにより古典的に知られていたが,コンパクトでない場合にも同様に存在が言えることを,局所一意化や解析接続の議論により言えることが分かった.また,一意性についてはさらに難しく,特異性がない場合にはS. T. Yauによるある種の最大値原理により証明がされていたが,錐特異性を持つ場合にはその議論は直接適用できない.しかし,錐角が2π未満である場合には,局所的な一意性と解析接続の議論により証明されそうなことが分かってきた.これについては,現在も研究を進めている段階である.
また,研究代表者は夏にはヘルシンキで行われたAhlforsの生誕100周年記念集会に出席し,Werner氏の講演を聴く機会に恵まれた.必ずしもわかりやすい講演とは言えなかったが,研究の最前線を知る良い機会であった.
SLEについては,さらに専門家の一人である九州大学の白井朋之氏を確率論セミナーに招き,概説を行って頂いた.確率論サイドからの見解を伺うことができ,これもまた有意義であった.
以上のように,SLEについてはいまだ,現在の研究の最前線を学んでいるところであるが,このようなセミナーを通じて,SLEやLoewner方程式について我々の研究グループの間で共通認識がある程度構築されたと言える.

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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