研究概要 |
本年度は,主に東北大学において幾何学的函数論やLoewner方程式に関するセミナーを学生と一緒に行い,研究を行った.特に,Lawlerによる専門書“Conformally Invariant Processes in the Plane"をテキストに選んでSLEの考察も深めた.一方,分担者の柳原は山口大学,広島大学において幾何学的函数論やポテンシャル論など関連するセミナーに出席するなどして,研究を進めた. 当初はGutlyanskii氏を招聘してLoewner方程式に関する共同研究を再開する予定であったが,氏の多忙により調整が付かず,招聘はかなわなかった.そのかわり,平成22年2月に宮城県大崎市にある東北大学鳴子会館において,SLEやLoewner方程式に関する比較的小規模の勉強会を行った.国内から約30名の参加者が集い,情報交換や知識の共有をはかることができたので,有意義な集会となった. 以上,国内での研究に加え,引き続き韓国においてSeong-A Kim氏らと高次シュワルツ微分やシュワルツ・ピックの補題の精密化など,幾何学的函数論や等角不変量に関する共同研究を行った.また,Yong Chan Kim氏とは,ハーディー空間や単葉函数に関する今日を研究を行った. さらに,6月のCMFT2010集会(アンカラ,トルコ),8月の複素解析国際会議(トゥルク,フィンランド),11月のCMRIF集会(ナウェンチュフ,ポーランド)に招かれ,研究成果について講演を行った.
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