研究課題/領域番号 |
19654031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 一登 京都大学, 人文科学研究所, COE研究員 (00447898)
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研究分担者 |
相馬 充 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (30187885)
谷川 清隆 国立天文台, 理論研究部, 特別客員研究員 (80125210)
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キーワード | 歴史天文学 / データベース / XML / 位置天文学 |
研究概要 |
本研究は神田茂氏の「日本天文史料」をXMLでマークアップ化を行い、XMLデータベースを用いて実装し、Webアプリケーションとして公開することおよび、マークアップの仕様を公開することが目的である。 平成19年度は、「日本天文史料」の文献のデータモデルの策定とデータ入力および校正作業の完了を目指し、作業を進めた。 「日本天文史料」は他の文献から該当する天文記事のみを抽出し、不要な部分を意図的に省略したりしているため、文献の構造が不完全になっているものが多く、文献構造の理解に非常に多くの時間を要してしまった。本研究は複雑な文献構造を柔軟に扱えるXMLを利用することで、高機能なデータベースを実現することを目指しているため、文献構造を徹底的に理解する必要があり、中途半端な理解でデータ入力作業を進めることは適切でないと判断し、文献構造の理解に多くの時間をかけることにした。 また、初期の入力データの不備が予想以上に多かったこともあり、入力データの校正に重点をおいて作業を行った。 文献のデータモデルの策定およびデータ入力・校正作業には石垣賢一氏(京都大学人文科学研究所)および中西華氏に作業に従事していただいた。また、他の文献史料のデジタルアーカイブ化作業には前島美紀氏(京都産業大学外国語学研究科)に作業していただいた。 次年度に行う予定でいた、日食帯の描画ツールについては設計および実装項目の選定がほぼ終わり、実装もほぼ完成に近づいている。現在は細かい部分の調整を行っており、公開に向けて準備中である。 研究発表として、山本が「暦とデータベース」と題して、暦日データをデータベース化する際のデータ管理方法や実装時に考慮すべきことについて、相馬・谷川が「7世紀の日本天文学」と題して、日本天文史料にある天文記録の信頼性の分析から7世紀時代の日本の天文学の実態についてそれぞれ発表を行った。
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