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2007 年度 実績報告書

酸化インジウムを蒸着した固体シンチレーターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19654035
研究機関宮城教育大学

研究代表者

福田 善之  宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (40272520)

キーワード太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 放射線検出器 / 素粒子実験
研究概要

pp/7Be太陽ニュートリノ観測を目的として、酸化インジウムに薄膜を蒸着した固体シンチレーターの開発を行った。使用した結晶は、CsI、BGO(Bi_4(GeO_4)_3)、YSO(Y_2SiO_5(Ce))、LYSO(LuYSiO_5(Ce))そしてYAP(YAlO_3)の5種類である。結晶の大きさはYAPを除き1cmの立方体を使用した。薄膜の材料として、酸化インジウム(In_2O_3)に酸化スズ(SnO_3)を重量比で約10%混合させたITO(Indium Tin Oxide)を使用した。薄膜形成のために使用した蒸着装置は、宮城教育大学が所有するSVC-700を用いた。蒸着したITOの質量はスパッタリングを行う時間にほぼ比例するため、蒸着前後の結晶の質量差を測定することによりITOの蒸着量を求めた。蒸着前の各シンチレーターに対し、鉛と無酸素銅の遮蔽体内でシンチレーター内部のU/Th起源の放射性事象の観測を行った結果、LYSOは自身のLuに放射性同位体が含まれておりバックグラウンドが大きく、太陽ニュートリノの観測には不適当であったが、その他の結晶のU/Th含有量は標準レベルであることがわかった。一方、γ線による応答スペクトルを観測した結果、CsI,BGO、YSOではγ線の光電ピークを観測する一方、YAPは薄板のため光電ピークが観測できなかった。次に、4時間のスパッタリングによる蒸着を行った結果、6mgのITOが蒸着し厚みとして1.7μm相当であった。しかし、CsIでは蒸着したITO薄膜が剥離することがわかった。これは、CsIが柔らかく、ITOと熱膨張率が1桁以上異なることが原因と考えられた。一方、BGO、YSO、YAPに関して蒸着は成功した。但し、いずれの結晶も本来無色であるべきところ黄色みを帯びた薄膜が形成された。このため、光電子増倍管が収集する光量が25%減少し、エネルギー分機能も劣化してしまった。最終的に光電ピークを観測できたのは、BGOのみであった。今後、薄膜の透明化が課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Development of InP detector for pp/7Be solar neutrino measumrent2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Fukuda
    • 雑誌名

      Proceedings for HEP2007 to IoP Journal 101(Submitted)

  • [雑誌論文] Search for Supernova Neutrino Burst at Super-Kamiokande2007

    • 著者名/発表者名
      M. Ikeda, A. Takeda, Y. Fukuda 他
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 669

      ページ: 519-529

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of InP detector for pp/7Be solar neutrino measurement2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Fukuda
    • 学会等名
      International Eutrophysics Conference on High Energy Physics
    • 発表場所
      英国 マンチェスター
    • 年月日
      2007-07-27
  • [備考]

    • URL

      http://masamune.miyakyo-u.ac.jp

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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