LHCでの7 TeV陽子衝突0度に放出されるニュートリノを用いた高エネルギーニュートリノ研究に関する準備研究を行った。 本年度は、LHC-IP1の0度方向140mで実験予定のLHCf検出器インストール時に実験現場を視察し、想定される検出器設置スペースの確認を行い、TANシールド直下流の2本のビームパイプ間及びその周囲に1m程度の検出器を設置する事が可能であると判断した。 また同場所での想定される放射線環境、10の34乗ルミノシティ運転時おいて最大年間100kGyに対応できる検出器を引き続き検討した。CMS forward検出器に検討されているpixel detectorは45Mrad(=450kGy)の放射線耐性がテストされており有力な候補であるが、当初想定したCMOS型Pixel Sensorではまだ1桁ほど不十分である事がわかった。これにactive absorberとしてクォーツファイバーまたGSOなどの放射線耐性の強い無機シンチレーターを組み合わせることを検討した。 一方、このLHCO度でのニュートリノ検出を行うscientific motivationについて、他の関連研究者と議論を行った。LHCO度でのニュートリノ測定を最初に検討したF.Vanucci氏と議論を行ったが、決定的なscientific motivationを見出すにはいたらなかった。一方、大気ニュートリノシミュレーション専門家である本田守弘氏と議論を行い、LHCO度ニュートリノ測定により、heavy quark起源によるPeV領域における大気promptニュートリノ流速の不定性を押さえる事は非常に有望である事を確認した。
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