平成19年度においては基礎試験を中心に行った。候補となるサンプルフィルム(PP、PE、PETなど)に対して以下のような試験を行った: 1、耐電圧試験 2、長期安定性試験 3、ホットラミネート(温度依存)による変形、変質試験 実際の試験では10cm角の1層の試作品で信号の確認を行ったがフィルム上の沿面放電などにより高い印加電圧を与えることが難しく、ノイズに対して優位な出力信号を得ることが困難な状況にあることを確認した。そのため沿面放電を防ぐための対処法として、1絶縁塗料による処理、2放電開始電圧と放電ギャップの相関などの処理方法の確立をめざしている。現在では一部ゴム系塗料の有効性は確認しているがまだ確実性に欠ける部分が見られる。 3種類のフィルムの中で現在優位な候補としてはPETを考えている。主な要因としては帯電性、接着時の変形、変質の影響の小ささがあげられるまた長期安定性は恒温槽サイクル試験で確認した。しかしながら長期安定性は接着剤にも依存するため次年度は複数の接着剤も試験を行う予定である。 また同様にスペーサーとなるメッシュについてもPET、PE、PPの素材で10種類のメッシュを試験した。メッシュ数は80メッシュ/inchから200メッシュ/inchまで試験したがメッシュ数の大きいものは(線形が細いため薄くなる)変形の影響が大きく、十分な電圧印加が出来ないことが判明した。このためメッシュ数の大きな素材を中心に試験を継続する。
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