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2007 年度 実績報告書

金属的強相関電子系の測定を可能にする新しい強磁場電子スピン共鳴定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19654051
研究種目

萌芽研究

研究機関神戸大学

研究代表者

太田 仁  神戸大学, 自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)

研究分担者 大道 英二  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00323634)
キーワードカンチレバー / 電子スピン共鳴 / 強磁場 / 物性実験 / 強相関電子系
研究概要

強相関電子系の研究は,現在物性研究の中心的課題となっており,実験理論両面から精力的な研究が進められている。しかし,興味深い強相関電子系の多くは金属的であり,従来の測定法ではそのESR測定は困難である。なぜなら,磁気モーメントが核スピンに比べ3ケタ以上大きい電子スピンではゼーマン分裂がそれに比例して大きく,ESR測定ではNMRに比べ高周波数の電磁波が必要で金属的試料表面の表皮効果が問題となる。そこで,本研究のねらいは,これまでの研究成果を踏まえてカンチレバーを用いたESR測定法の感度をさらに2ケタ以上向上させて,これまで不可能であった金属的強相関電子系のESR測定法を開発しようとするものである。まず,今年度は研究計画にのっとり,超伝導磁石を用いた定常磁場中で,ロックイン検出法を用いた感度の向上を試みた。具体的には,測定試料をCo-Tutton塩とし,ガン発振器の光変調を用い,その変調周波数依存性を調べたところ,変調周波数がカンチレバーの固有振動数に一致する場合に共振的に感度が向上することが確かめられた。逹成された感度は,80GHzで10^9spins/Gで,これはパルス磁場中で以前我々によって達成された10^<11>spins/Gの100倍となった。この結果,ESRが観測された周波数も最高240GHzとなり,大きく観測周波数を更新することができた。現在,この成果を論文として投稿中であり,今年度の目標を達成することができた。今後は,ロックイン検出法をパルス磁場下測定に適用し,さらに高い周波数での観測を試みる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 多重極限高周波ESRの開発とスピン凝縮系の研究2008

    • 著者名/発表者名
      太田 仁
    • 雑誌名

      電子スピンサイエンス Vol.6(Spring)

      ページ: 45-54

  • [学会発表] パルス磁場下におけるカンチレバーESR測定の高感度化2007

    • 著者名/発表者名
      水野議覚
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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