• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

金属的強相関電子系の測定を可能にする新しい強磁場電子スピン共鳴測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19654051
研究機関神戸大学

研究代表者

太田 仁  神戸大学, 自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)

研究分担者 大道 英二  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00323634)
キーワードカンチレバー / 電子スピン共鳴 / 強磁場 / 物性実験 / 強相関電子系
研究概要

カンチレバーを用いたESR測定の感度向上ならびにg値の高分解能化に向け、新たに磁場変調法式に基づく信号検出法を開発した。従来行っていた電磁波強度を変調する方式では真空中でカンチレバーの振動が誘起されるために微弱な信号が検出できないという欠点があった。磁場変調法式ではカンチレバーの不要な振動が誘起されないため、この問題を回避できる。測定系の開発では、ESR信号の線幅とジュール発熱を考慮し、1アンペアの電流で数10ガウス程度の交流磁場が発生できるように変調コイルの設計を行った。実際にホール素子を用いて発生磁場の評価を行い、コイルの特性を評価した。本研究では0.26mmの銅線を直径14mmのボビンに約50回巻いたものを使用した。コイル係数は35ガウス/アンペアであった。実際に作製した変調コイルを低温クライオスタットに装着し、磁場変調法式によるESR測定を行った。測定は4.2Kで行い、試料はCo Tutton塩単結晶を用いた。その結果、80GHzの測定周波数においてESR吸収波形の微分形としてESR信号の観測に成功した。信号の大きさは変調磁場の大きさとともに増大する結果が得られた。変調周波数を大きくすると渦電流による発熱が生じるため、本研究では200Hzで測定を行った。得られたg値(~3.29)は強度変調による測定結果とも一致した。信号雑音比は10程度であり、最小検出スピン数としては~10^<12>スピン/ガウスと見積もられた。これにより磁場変調法式によるカンチレバーESR測定法が確立した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Recent Advances in High Frequency Electron Spin Resonance Detection Using a Microcantilever2010

    • 著者名/発表者名
      H.Ohta
    • 雑誌名

      Applied Magnetic Resonance 37

      ページ: 881-891

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-frequency ESR Measurement at 315GHz Using a Microcantilever2010

    • 著者名/発表者名
      E.Ohmichi
    • 雑誌名

      J.Low Temp.Phys. 159

      ページ: 276-279

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multi-Frequency ESR Using a Microcantilever in the Millimeter Wave Region2009

    • 著者名/発表者名
      Eiji Ohmichi
    • 雑誌名

      J.Phys.: Conf.Series 150

      ページ: 042150/1-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of Multi-Extreme High Frequency ESR Measurement System and Its Application2009

    • 著者名/発表者名
      H.Ohta
    • 学会等名
      51th Rocky Mountain Conference on Analytical Chemistry
    • 発表場所
      Colorado, USA
    • 年月日
      2009-07-20

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi