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2007 年度 実績報告書

自己触媒過程の定式化による経済現象のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 19654054
研究機関東京工業大学

研究代表者

高安 美佐子  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (20296776)

キーワード触媒反応 / 金融市場 / ディーラモデル / ランダムウォーク / ベキ分布 / 長時間相関
研究概要

本研究は、市場という経済現象を触媒反応という化学の領域の数理モデルによって記述し、さらに統計物理学の手法で解くという従来の研究領域の枠を完全に超越した研究である。市場を記述する標準的な手法である金融工学のアプローチは現象を確率論の枠組みに入れるだけあり、市場のルールを変えるとどのような変化が起こるかということに関しては全く言及できない。それに対し、本研究では既に十分な知見が得られている触媒反応の数理モデルの研究成果を市場の研究に生かすことができるので、例えば、触媒反応の制御方法を転用して市場の制御を議論するようなことが可能になる。市場の制御は経済学でも全く未知の研究分野であり、独創的な研究成果が期待できる。
2種の原子を両端に持つ分子に見立てたディーラモデルによって現実の金融市場(特に、円ドル市場)の基本的な統計的な特性をほぼ全て満たすようなモデルを構築するところまで進めることができた。このディーラモデルは、AとBのふたつの原子を両端に持つ分子の集合体とみなすことができ、それぞれの分子がランダムウォークすることによって化学反応、すなわち、市場の取引が、触媒、すなわち、市場において持続することになる。ベキ分布に近い価格の変位の分布、取引間隔の自己変調の特性と長時間相関、変位の絶対値の長時間相関などの基本的な市場の特性を同時に満たすような、触媒反応モデルができたので、次のステップとしては、当初の計画通り、暴騰・暴落、中央銀行による介入などを触媒モデルによってシミュレートする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Grounds For Time Dependent Market Potentials From Dealers' Dynamics2008

    • 著者名/発表者名
      Kenta Yamada, Hideki Takayasu, Misako Takayasu
    • 雑誌名

      Physica A (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 金融市場のダイナミクスと予測可能性2007

    • 著者名/発表者名
      高安美佐子
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [備考]

    • URL

      http://www.smp.dis.titech.ac.jp/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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