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2007 年度 実績報告書

ゲル変形によるタンパク質結晶化の制御とそのメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 19654065
研究機関広島大学

研究代表者

田中 晋平  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (40379897)

キーワードタンパク質 / 結晶成長 / 核形成 / ゲル / 界面 / 制限空間
研究概要

我々はこれまで、脂質が形成するゲル状高次構造中でタンパク質の結晶化が促進される効果について研究してきた。本研究ではこれまでの研究をさらに発展させ、高分子ゲル中でのタンパク質の溶液挙動を調べている。さらに、ゲルの変形による内部の網目構造の変化が、そこに拘束されたタンパク質にどのような影響を与えるのか調べ、新たなタンパク質結晶化手法の開発へつなげることを目指している。本年度は、この目的のための観察用装置開発と、モデル系の構築を主に行った。具体的には、タンパク質として卵白リゾチームを、ゲルとしてタンパク質と相性のよいアガロースゲルを用い、ゲル内部でのタンパク質結晶化挙動を主に光学顕微鏡によって詳細に調べた。その結果、アガロースゲル中での顕著な核形成の促進効果を発見した。結晶過飽和度に対する効果は現在の定性的な研究の段階では不明である。今後はより定量的な実験を行い、ゲルの効果を詳細に調べていく予定である。さらに興味深い現象として、ゲル表面によるタンパク質結晶の配向効果を見いだした。これまでタンパク質結晶が磁場などによって配向することは知られていたが、このようなソフトな界面による配向は報告例が無く、そのメカニズムは今のところ不明である。今後、ゲル中の結晶化とゲル表面での結晶化を今年度に開発した動的光散乱装置を用いて詳細に調べ、そのメカニズムを解明する。その後、ゲル変形に対して内部のタンパク質溶液がどのように応答するのかに対して実験を行っていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] タンパク質分子間に働く枯渇相互作用と遮蔽された静電相互作用の非加算性2008

    • 著者名/発表者名
      田中晋平
    • 学会等名
      特定領域研究「非平衡ソフトマター」第2回公開シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2008-01-08
  • [学会発表] タンパク質溶液の液体-液体相分離と結晶化2007

    • 著者名/発表者名
      田中晋平
    • 学会等名
      学習院大学計算機センター特別研究プロジェクト「結晶成長の数理」
    • 発表場所
      学習院大学計算機センター
    • 年月日
      2007-12-27
  • [学会発表] Protein crystallization induced by poly (ethylene) glycol: Asmall-angle x-ray scattering study2007

    • 著者名/発表者名
      田中晋平
    • 学会等名
      京都大学基礎物理学研究所研究会「コロイド物理学の新展開」
    • 発表場所
      京都市 京大会館
    • 年月日
      2007-07-25
  • [学会発表] 脂質高次構造を利用したタンパク質の結晶化2007

    • 著者名/発表者名
      田中晋平
    • 学会等名
      特定研究「非平衡ソフトマター」第2回領域研究会
    • 発表場所
      米沢市 伝国の社
    • 年月日
      2007-06-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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