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2008 年度 実績報告書

ゲル変形によるタンパク質結晶化の制御とそのメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 19654065
研究機関広島大学

研究代表者

田中 晋平  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (40379897)

キーワードタンパク質 / 結晶成長 / 核形成 / ゲル / 界面 / 制限空間
研究概要

我々はこれまで、脂質が形成するゲル状高分子構造中でのタンパク質結晶成長促進効果を研究してきた。本研究では、この研究を発展させ、高分子ゲル中でのタンパク質結晶化挙動と、ゲル変形による内部の編み目構造の変化が、そこに拘束されたタンパク質にどのような影響を与えるのかを調べていた。用いたモデル系はタンパク質としてニワトリ卵白リゾチーム、ゲルとしてアガロースとポリエチレングリコールを用いた。ポリエチレングリコール水溶液は厳密にはゲルではないが、その濃厚溶液中での高分子編み目内の閉じこめ効果を調べるために用いた。まず、アガロースゲル内における結晶成長では、ゲル表面での特徴的な結晶配向効果を見いだした。これは、ゲル表面がソフトであるため、異方的な結晶形をもつリゾチームの結晶が重力下で安定するために、自発的にある方向に配向することがその理由であると考えられる。一方、ポリエチレングリコール系では、ポリエチレングリコール自身の結晶化もタンパク質の結晶化と同時に起きる。このため、まず結晶化剤であるNaClの添加によってポリエチレングリコールの結晶化挙動がどのように影響されるのか調べた。その結果、NaClの添加はポリエチレングリコールの結晶化を促進し、それをFlory-Hugginsの格子モデルで説明することに成功した。この結果は国際学術誌に投稿し、受理されている。ゲル変形の効果については、ゲルの破壊による効果と、内部編み目の変形による効果の分離が困難であり、これまでのところその効果を実証することには成功していない。今後この研究をさらに発展させ、本研究で開発した光散乱装置を用いて、より微小な変形の元での結晶化挙動を研究していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of NaCl on the eutectic phase behavior of aqueous poly (ethylene glycol) solutions2009

    • 著者名/発表者名
      R. C. Gosh, A. Tada, S. Tanaka
    • 雑誌名

      Polymer 50

      ページ: 1304-1310

    • 査読あり
  • [学会発表] Diffusion of protein molecules in lipid cubic phases studied by fluorescence recovery after photobleaching2008

    • 著者名/発表者名
      S. Tanaka
    • 学会等名
      International symposium on non-equilibrium soft matter
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-06-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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