1.平成20年4月に、研究代表者、連携研究者、研究協力者が名古屋大学に集まり、MIセンサ開発のための会議を行った。 2.駆動回路及びMIセンサを研究代表者のグループの研究室内で製作した。センサ部に高周波の矩形波をかけて、出力をスイッチング回路で取り出した。しかし、この出力はパルス電圧として出てくるため、パルスの高さをどの点で測定するかによって、出力の値が大きく変化してしまい、安定した定量的な測定が、このままでは難しいことがわかった。今後、出力パルスの中で、測定する時間を一定にしたり、パルスの大きさを積分するためのOPアンプ回路を作成したりして、安定した出力が得られるよう、工夫していく予定である。 3.作成した回路及びセンサを磁気シールドケースに収めて、日単位のドリフトの変化を調べた。その結果、1日の中でも数百nT程度ドリフトしてしまうケースがあることがわかった。また、周辺の電源のon/offや磁性体の移動に伴って、出力のオフセット値が変わってしまう、ということもわかった。このような不安定性の原因として、MIセンサの帯磁の問題が考えられる。しかし場合によって帯磁の方向が違ったり、その大きさも安定しておらず、この帯磁の問題をどのように防ぐか、という点が課題であることがわかった。
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