研究課題/領域番号 |
19654083
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中沢 弘基 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームセンター, 名誉フェロー (80333780)
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研究分担者 |
関根 利守 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 主席研究員 (70343829)
掛川 武 東北大学, 大学院・理学研究科地球物質科学専攻, 准教授 (60250669)
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キーワード | 生命の起源 / 有機分子の起源 / アミノ酸・アミン・カルボン酸 / 隕石爆撃 / 40~38億年前 / 原始地球 / 冥王代 |
研究概要 |
地球に海が生じた後、40〜38億年前頃激しかった隕石の海洋爆撃を想定し、隕石成分の代表である金属鉄(Fe)と炭素(C)、海洋主成分の水(H_2O)および当時の大気主成分の窒素ガス(N_2)をカプセルに詰め、それを標的とした衝撃実験を行い、生成物を回収し、生成した有機分子を液体クロマト・質量分析計(LC-MS/MS)で検出・同定した。 その結果、グリシン(アミノ酸)および炭素鎖の長さの異なるアミン、カルボン酸など、11種の生物有機分子の生成を確認した。 本研究により、冥王代末期の地球史的イベントである隕石・微惑星重爆撃(LHB)により生物有機分子が容易に生成したであろうことが実験的に証明された。地球の海と大気と隕石成分が衝撃により激しい化学反応を生じて、生命起源の素となる生物有機分子を生じせしめたと推定される。 ミラーの実験として良く知られている、大気中の雷放電によってアミノ酸などが生じたとする説は、大気がメタンやアンモニアなどの還元的分子で構成されていたことが前提となっていたが、1970年代後半に、冥王代の大気はむしろ酸化的であったことが判り、その根拠を失っていた。本研究は、大気が非還元的であっても海洋と隕石成分の反応で有機分子が多量に生成するであろうとする「有機分子ビッグバン説(中沢)」の妥当をが実証し、地球史的に合理的な新たな有機分子起源説を日本から発信することになった。Nature Geoscience誌に発表した論文は国内外の研究者および一般マスコミの大きな関心を呼んでインタビューを受け、日米新聞各紙やNHKニュースで大きく報道された。
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