研究課題
ソフトマテリアルに対するパルス磁場の影響を包括的に、かつ詳細に把握するために、下記の研究を行った。1)パルス磁場の発生法と発生装置の開発、製作を行った。特に、コンデンサーバンクの小型化を実現した。これにより、従来の約4分の1のサイズに小型化することができた。2)小型のパルス磁場電源を用いて、約1msのパルス磁場を発生させることに成功した。このパルス電源を使用して、水溶液や有機溶媒のファラデー効果を測定して、それぞれのファラデー回転角を決定した。パルス磁場は、ファラデー効果のような応答速度の速い電子的過程を観察するのに適していることが実証された。3)パルス磁場を利用するファラデーイメージングの装置を開発、製作し、その基本的な性能を、水、希土類イオン溶液、トルエンなどの単純な液体について評価した。その結果、芳香族化合物液体は大きな反磁性と紫外吸収性に基づく、大きな回転角を示すことが実験的に明らかとなった。4)パルス磁場を用いるファラデー回転角の測定法を顕微系で行う装置を設計、製作した。この装置により、画像の取得も可能であることを確認した。5)磁場の別の作用として、磁気力の微粒子におよぼす力学的効果を明らかにするために、磁気力の緩和時間測定法を考案した。この方法は、単一微粒子の磁化率と質量の同時測定に利用できることを実証した。
すべて 2008 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
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