研究課題
完全分岐型ハイパーブランチポリマーを合成するには、2官能性モノマーの官能基の反応性がその内1個の官能基が反応すると2個目の官能基の反応性が増大するモノマーを開発する必要がある。1.完全分岐型ポリケタールの合成その候補として、9-フルオレノンとアニソールのモデル反応の動力学をトリフルオロ酢酸中で検討した。その結果、この反応が9-フルオレノンと1個目のアニソールの反応速度に比べて、一置換反応中間体に2個目のアニソールの反応する速度が速いこと仮定した2次の動力学に従うことを見出した。この知見をもとに、新規なAB_2モノマー、2-(4-フェノキシフェノキシ)フルオレノンを合成し、メタンスルホン酸中で重合を行った。得られたイパーブランチポリマーポリマーの構造をIR,NMRを用いて解析したところ、目的通りの100%分岐のハイパーブランチポリマーであることが分かった。2.完全分岐型ポリチオケタールの合成上記と同様に、9-フルオレノンと3-メルカプトプロピオン酸の反応をモデル反応として取り上げ、その動力学をトリフルオロ酢酸中で検討した。その結果、この反応が9-フルオレノンと1個目の3-メルカプトプロピオン酸の反応速度に比べて、一置換反応中間体に2個目の3-メルカプトプロピオン酸の反応する速度が速いこと仮定した2次の動力学に従うことが分かった。この知見をもとに、新規なAB_2モノマー、2-[4-(4-スルファニルブトキシ)フェノキシ]-9H-フルオレンー9-オンを合成し、メタンスルホン酸中で重合を行った。得られたイパーブランチポリマーポリマーの構造を^1H and ^<13>C-NMRを用いて解析したところ、目的通りの100%分岐のハイパーブランチポリマーであることが分かった。以上のように、完全分岐型ハイパーブランチポリマーを合成に成功した。今後、完全分岐型ハイパーブランチポリマーの機能化に取り組みたい。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
J. Polym. Sci. Part-A, Polym. Chem., 46
ページ: 2689-2700
Polymer Journal 39
ページ: 1150-1156