近年、様々なナノ材料の研究が行われている。現在、二酸化チタンは光触媒として様々な用途に利用されている。そこで、高い触媒作用のある二酸化チタン粒子が求められている。今年度は、高熱流束マイクロプラズマ(以下MP)の利点を生かして酸化チタン粒子を合成し、その粒子を調べることを目的とする。チタンテトライソプロポキシドをアルゴン:酸素が3:1の混合ガスでバブリング供給した。反応部はMPまたは電気炉(1000℃で使用)を利用した。また、プラズマ生成用ガスとしてアルゴンを供給した。反応後の粒子は、SMPSにより個数を数え、個数濃度、体積濃度、幾何平均径を求めた。今回は、反応部およびプラズマ生成用ガスの流速を変えた場合の粒径分布の違いを比較した。バブリング(反応前)、MP、電気炉それぞれの粒径別体積濃度を比較して、生成濃度は少ないが体積幾何学的平均径の小さい粒子が得られた。濃度が少ない理由として、プラズマ管への壁面沈着やSMPSで測定を行っていない500nm以上の粒子の影響が考えられる。MPを用いることで、粒径の小さい酸化チタン粒子が効率的に得られ、また、流量を増やすことで、さらに小さい粒子を得られることが確認された。
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