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2007 年度 実績報告書

高圧下のイオン液体から生まれる反応基礎とグリーン物性

研究課題

研究課題/領域番号 19655057
研究機関大分大学

研究代表者

石川 雄一  大分大学, 工学部, 准教授 (30184500)

研究分担者 大賀 恭  大分大学, 工学部, 准教授 (60252508)
信岡 かおる  大分大学, 工学部, 技術職員 (10398258)
キーワードイオン液体 / 高圧効果 / 1分子反応速度 / 媒体再配置 / 動的溶媒効果 / クロメン
研究概要

我々は、溶媒としてのイオン液体が反応に及ぼす溶媒効果に興味を持った。溶液反応は基質の構造変化と同時に溶媒再配列がおこるため、溶媒再配列は溶媒効果を考える上で極めて重要である。しかし、通常の溶媒における溶媒再配列は、基質の構造変化に比べて圧倒的に速く、溶媒再配列は反応速度に影響されない。しかし、意図的に加圧する事により溶媒の高粘性状態を作り出し、溶媒再配列を律速過程とする手法を用いれば、媒体再配列の観察が可能である。粘性が高くなりやすいイオン液体中における媒体再配列(動的溶媒効果)は、世界で観察されていない。そこで、平成19年度は、イオン液体の溶媒再配列を観察する事を主目的とした。
この目的のために、高圧条件で、高粘性となるイオン液体の構造因子を知る必要があり、多様なイオン液体を合成した。そのイオン液体中での媒体再配列を速度の変化として観察するために、開環と閉環を可逆的に行うクロメンの熱閉環反応速度をプローブとして利用した。多様なイオン液体中のプローブ分子の反応速度に与える圧力効果から、動的溶媒効果を示すイオン液体の構造的要因を考察した。その結果、圧力上昇に伴い、反応速度が単調に増加するイオン液体群と、高圧条件下で反応速度の抑制を顕著に示し、圧力と反応速度の関係で最大値を示すイオン液体群に大別する事を見いだした。現在のところ、後者は、高圧条件により溶媒の粘性が高くなり、溶媒再配列が律速過程となったと考えている。後者のイオン液体群の特徴は、枝分かれ構造やベンゼン環などの存在である。
媒体とした時の、endo-exo比を系統的に調査する。endo/exo比が、媒体との水素結合に敏感な特性を活用している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Solute-Solvent Interactions in Imidazolium Camphorsulfonate Ionic Liquids2007

    • 著者名/発表者名
      信岡かおる、北岡賢、飯尾匡史、T.Harran、石川雄一
    • 雑誌名

      Phys. Chem. Chem. Phys. 9

      ページ: 5891-5896

    • 査読あり
  • [学会発表] 溶媒再配列観測を可能とするイオン液体の構造的要因2008

    • 著者名/発表者名
      三浦純司、北岡賢、信岡かおる、大賀恭、石川雄一
    • 学会等名
      日本化学会第88回春季年会
    • 発表場所
      東京、立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [産業財産権] 新規イオン性化合物2007

    • 発明者名
      笠原泰祐、石川雄一, ら他4人
    • 権利者名
      日本触媒(株)と大分大学
    • 産業財産権番号
      特願2007-283583
    • 出願年月日
      2007-10-31

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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