研究課題/領域番号 |
19655058
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新倉 謙一 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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研究分担者 |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
松尾 保孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90374652)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
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キーワード | ポリオーマウイルス / シアル酸 / 金微粒子 / プラズモン共鳴 / 分子クラウディング |
研究概要 |
ウイルスのタンパク質が自己集合して形成するウイルス様微粒子(virus-like particle : VLP)は、ウイルスゲノムを持たずにウイルスと同じ経路で細胞内へ導入されるため、ドラッグデリバリーシステムのキャリアー等として注目されている。私たちはVLPの持つ糖鎖認識性に着目し、糖鎖の分子認識を利用してウイルスの周辺に規則的に金属微粒子を配列させることを目的に研究を進めた。まず金微粒子にシアル酸を提示させる技術を確立した。このシアル酸提示金微粒子は非常に水への分散性が高く、ウイルスと結合させても沈殿するようなことはなかった。VLPとシアル酸を修飾した金ナノ粒子の複合体形成の電子顕微鏡像(STEM)を詳細に検討すると、VLPの表層に特異的に金ナノ粒子が結合している様子が観察された。また、紫外可視吸収スペクトルの長波長シフトには、金ナノ粒子表面のシアル酸の有無によって有意な差が生じたことから、溶液中でも金ナノ粒子がVLPに結合していることが示された。さらに金ナノ粒子濃度の上昇に伴いプラズモン吸収の長波長側への大きなシフトが測定された。これはウイルスを鋳型とした金ナノ粒子の結合により、三次元的なプラズモンのカップリングが起きたことを意味している。さらにウイルスと金微粒子の結合を促進するために、デキストランを添加した。この効果は高分子クラウディング効果と言われるが、金属微粒子と生体分子(この場合はVLP)の特異的な結合をクラウディング効果で成功させた初めての例である。本研究によってウイルス-金微粒子複合体が外部の光と共鳴するプラズモン共鳴体になりうることを証明できた。
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