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2007 年度 実績報告書

学習する分子ワイヤーネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 19655066
研究機関東京大学

研究代表者

松下 未知雄  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (80295477)

研究分担者 菅原 正  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
キーワード分子集積回路 / 分子素子 / 機能材料 / ナノ粒子 / 分子ワイヤー
研究概要

外部からの刺激により、後天的に素子特性を変更することが可能な分子回路の構築を目的に、酸化還元活性を持つビオローゲン分子の両側にアルキル鎖(n=3、6、12)を介してチオール基を導入したワイヤー分子を合成するとともに、これらの分子と、平均粒径約3.3nmの金ナノ粒子との間にネットワーク状の構造体を形成した。ネットワークが付着した電極を電解質溶液に浸し、電位を掃引することにより、ネットワーク中のワイヤー分子のビオローゲン部の酸化状態が変化することを、サイクリックボルタンメトリー、紫外可視吸収スペクトル、電子スピン共鳴スペクトルによって明らかにした。ネットワークを電極間隔2μmの櫛型の金電極上に調製し、導電特性を検討したところ、室温付近では金ナノ粒子の荷電エネルギーに基づく熱活性型の温度依存性を示すものの、30K以下の温度領域ではその温度依存性が顕著に低下する挙動を示した。低温領域における電流-電圧特性が3次の非線形性を示したことから、この領域ではコトンネリング伝導が支配的であることが判った。このネットワークを電解質中で還元及び酸化したところ、還元体生成時には抵抗が約3桁低下し、酸化するとほぼ元に戻る挙動が観察された。金ナノ粒子ネットワークにおいては、金ナノ粒子がクーロンプロッケードとして動作するとともに、電子はその間の分子上をトンネル伝導すると考えられることから、以上の結果は、分子ワイヤーのネットワーク中でビオローゲン分子を還元することによって、ビオローゲンワイヤーのトンネル抵抗が低下し、全体の抵抗が低下したためと解釈される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 磁性と導電性を併せ持つ有機物質〔総説・解説〕2008

    • 著者名/発表者名
      松下未知雄
    • 雑誌名

      化学と教育 56(2)

      ページ: 72-73

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 世界初の導電性と磁性を併せ持つ有機物質の発見-その応用と課題-〔総説・解説〕2007

    • 著者名/発表者名
      菅原正、松下未知雄、川田勇三
    • 雑誌名

      Material Stage 7(2)

      ページ: 95-99

    • 査読あり
  • [学会発表] ビオローゲン分子ワイヤーネットワークを用いた金ナノ粒子ネットワークの導電挙動2008

    • 著者名/発表者名
      片山卓也、松下未知雄、菅原正
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学池袋キャンパス、東京
    • 年月日
      2008-03-26
  • [学会発表] Conducting Behavior of Networked Gold Nanoparticle Connected with Viologen-based Molecular Wires2007

    • 著者名/発表者名
      Takuya Katayama, Masaru Minamoto, Michio M. Matsushita, Tadashi Sugawara
    • 学会等名
      A Joint Conference of the International Symposium on Electron Spin Science and the 46th Annual Meeting of the Society of Electron Spin Science and Technology(ISESS-SEST2007)
    • 発表場所
      Granship, Shizuoka, Japan
    • 年月日
      2007-11-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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