研究概要 |
本研究では、ラセン状構造をもつレゾルシノール(R)/ホルムアルデヒド(F)系高分子ナノ複合体を合成し、これを前駆体として、コイル状あるいはツイスト状構造を有するカーボンナノヘリックスを創製する技術を開発することを目的としている。 本年度は、まず、L-アラニンとアルキルハライドを原料としてキラルなアニオン性界面活性剤であるミリストイルアラニン(MAla)を合成した。これとR、F、NaOH、メシチレン(TMB)、CTAB、H_2Oを所定モル比で反応させ、さらに生成固相をHC1/EtOH溶液で処理後、窒素中1000℃で焼成することによりカーボンに変換した。得られた生成物は、SEM,窒素吸脱着測定装置等で評価した。 その結果、コイル径150-300nm、ワイヤー径数十nmで右巻きおよび左巻きのコイル状粒子と直線状ワイヤーが混合相として生成することを見い出した。コイル状粒子の収率は約10%であった。MAlaあるいはNaOHの添加量を増やすと、コイル状粒子の収量が大幅に低下し、ワイヤー径が増大する傾向を示した。また、合成条件を変えると、直径約50nmの極細ワイヤーや低縦横比ワイヤーなど形状・サイズが多様に変化した粒子が生成することが分かった。
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