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2008 年度 実績報告書

超分子化学を利用した高屈折率材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19655084
研究機関神奈川大学

研究代表者

工藤 宏人  神奈川大学, 工学部, 准教授 (30343635)

研究分担者 西久保 忠臣  神奈川大学, 工学部, 教授 (20120967)
キーワード高屈折率 / 超分子化学 / カウンターアニオン / ヨウ素 / ポリマー
研究概要

1-アザ-18-クラウン-6-エーテル(1-Aza-18-C-6)骨格を有するスチレンタイプのモノマー(VBA18-C-6)を合成し、そのラジカル重合により対応するポリマー(M_n=1-2万程度)を合成した。合成したポリマーをシリコンウエハー上へのスピンコートにより薄膜を形成させた。形成したポリマーの薄膜をKI水溶液中に24時問浸漬した。その結果、フィルムが水に溶解して、膜圧の減少が起こり、正確な屈折率の評価は困難であった。そこで、架橋膜の作成を試みた。架橋部位としてオキセタニル基を有するスチレン誘導体を合成し、このモノマーとVBA18-C-6との共重合(仕込み比;10:1)を行い、合成したポリマーのフィルムを作成し、光架橋させ、水に不溶な架橋膜を作成した。次に、このポリマーフィルムをKI又はLiI水溶液に浸漬し、屈折率を測定した。しかし、ポリマーフィルムの屈折率の上昇は観測されなかった。このことからポリマーフィルムが光架橋したことにより、ポリマーの膨潤性が低下したために、包接化が起こらなかったと思われる。そこで、次に架橋部位の割合を減らした共重合(仕込み比;10:0.5)を行い、同様の検討を行った結果、薄膜の位置によっては屈折率が大幅に上昇し、屈折率は2.39まで上昇することが判明した。しかしながら、薄膜の表面は均一ではなく、位置によっては屈折率が全く上昇せずに、むしろ低下する部位も存在した。このことは、カリウム塩が包接することによって、そのカウンターイオンのヨウ素により屈折率は大きく上昇しているが、その包接挙動が均一的に進行していないことを示した。均一に包接を進行させ、かつ包接後のポリマー薄膜が良好な均一膜を保てるポリマーを分子設計することが出来れば、2.0以上の高屈折率を有する薄膜が開発できる可能性を示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Refraetive-index Properties of Star-Shaped Polysulfides Radiating from Calixarenes2009

    • 著者名/発表者名
      Hiroto Kudo, Hajime Inoue, Takeshi Inagaki, Tadatomi Nishikubo
    • 雑誌名

      Macromolecules 42(4)

      ページ: 1051-1057

    • 査読あり
  • [雑誌論文] “Temperature Dependence of Refractive Index of Films of Well-defined Liner and Star-shaped Polystyrenes", Chem. Lett., 37, (3), 282-283 (2008).2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroto Kudo. Hideyuki. Aoki, Tadatomi. Nishikubo
    • 雑誌名

      Chem. Lett 37, (3)

      ページ: 282-283

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of Hetero-Telechelic Polymers by Self-Polyaddition of Monomers containing both Oxetanyl and Carboxyl Groups2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroto Kudo. Hiroyuki Atsumi, Masaaki Sato, Tadatomi Nishikubo
    • 雑誌名

      Journal of Polymer Science Part A : Polym. Chem. 46

      ページ: 7835-7842

    • 査読あり
  • [学会発表] 特殊高分子の合成とその構造特性を利用した光機能性材料(高屈折率材料、低屈折率材料、屈折率変換材料、UV硬化性材料、E BおよびEUVレジスト材料)への応用展開2008

    • 著者名/発表者名
      工藤 宏人
    • 学会等名
      第125回東海高分子研究会講演会
    • 発表場所
      愛知県知多郡美浜町野間かざりや
    • 年月日
      2008-09-07
  • [学会発表] オキセタニル基を有する光学活性モノマーの合成とカチオン重合および得られたポリマーの光学活性特性2008

    • 著者名/発表者名
      工藤 宏人
    • 学会等名
      第57回 高分子年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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