研究課題/領域番号 |
19656004
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
名嘉 節 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30344089)
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研究分担者 |
中根 茂行 (独)物質・材料研究機構, 超伝導材料研究センター, 主任研究員 (40354302)
大沼 繁弘 (財)電気磁気材料研究所, 主任研究員 (50142633)
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キーワード | ハイブリッド材料 / 磁気ナノ粒子 / DNA / 中空球構造 / DDS |
研究概要 |
磁性体をナノ粒子化した磁気ナノ粒子は、粒子間の相互作用で磁気双極子-双極子相互作用が主流になるなど、特有の現象が起こる。Grunerら(独:Duisburg-Essen大)が、磁気ナノ粒子を中空球化(図1)すると、振動する磁場中では磁気ナノ粒子中空球が開裂し2分割するなど、磁場に対して敏感に変形することを理論的に提唱した(2005)。このような特性は、DDS(drug delivery system)や磁気アクチュエーターなどへの応用が期待される。最近我々は、DNA-Pdハイブリッド構造の先製に成功しており、DNAを用いた中空構造に近い磁気マリモ構造の作製を本研究では目指した。最終的にはそれを用いて、Grunerらが提唱した中空球構造の磁場中ダイナミクスを検証することが目標である。 昨年度は、DNA-Pdハイブリッド系の構造制御法の確立を通して、マリも構造の出現条件の化学量論的な決定に成功した。還元能およびDNA/Pd濃度比をパラメーターとしてDNA-Pdハイブリッド構造体の形態および大きさ(一次粒子および構造体)を精査した。また、ex-situ合成の可能性を探るために、表面修飾時期ナノ粒子の合成にも取り組んだ。それらを踏まえ、Coを用いたハイブリッド構造体の形成に取り組み、DNA-Pd/Co系でマリモ構造の作製に成功した。 来年度は、この磁気マリモ構造の磁場中ダイナミクスを明らかにするために、AFM等の測定に取り組む。
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