研究概要 |
前年度に放電電流、放電形式(DC,AC,パルス等)、放電時間、電極形状、などの反応条件を制御できる装置を作製したが、その改良を行った。電源を変えることによりより安定な直流アークを使用し、その影響をみた。前年度までの検討結果により、1回のアーク放電は1〜3秒の間で一度止める必要があることが分かっている。その放電時間の正確な制御は生成物をナノチューブ状にするために極めて重要である。その制御のために、プログラマルブルコントローラを用いて放電時間を正確に制御できるようにした。電極は様々な形状の電極を取り付けることが出来るようにした。 また、放電中の電流・電圧や発光スペクトルの計測を行い、ラジカル種の分析やアークプラズマの温度などの液中アークプラズマ反応場の機構に関するデータを収集した。さらに、高速度カメラを使用して液中アークで発生する気泡の形状の変化も観察した。この観察は反応機構を解明するために必要である。 液体中アーク放電により得られた生成物を高分解能透過電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)を使用して分析した。以上の検討により、ホウ化マグネシウムをナノチューブ化させるための条件を報告する準備が整った。
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