研究課題/領域番号 |
19656028
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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研究分担者 |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (50190872)
燈明 泰成 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374955)
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キーワード | 機械材料・材料力学 / ナノ材料 / ナノワイヤ / ジュール発熱 / 溶融 / 凝固 / ナノ溶接 / 走査型電子顕微鏡 |
研究概要 |
平成19年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 1.溶接用金属ナノ材料の高確度生成 溶接用金属ナノワイヤとして、Alナノワイヤ、およびCuナノワイヤを高確度に生成した。微小孔を有する保護膜被覆型Al配線に高密度電流を付与し、微小孔より高確度にAlナノワイヤを生成した。また、保護膜被覆型多結晶Cu薄膜基板に設けた微小孔の中に、ストレスマイグレーションを利用してCuヒロックを形成し、このヒロックより直径数10nmのCuナノワイヤを大量に生成した。これにより、研究遂行に必須の金属ナノ材料を安定供給することが可能となった。 2.ナノ材料溶接用SEMシステムの試作 金属ナノワイヤの溶接を走査型電子顕微鏡(SEM)内で実施するための、ナノ材料溶接用SEMシステムを構築した。現有の圧電素子駆動のXYステージとZステージをSEMの内部に対向して配置し、真空環境下において高精度に金属ナノワイヤの位置決めが行えることとした。さらに、外部からの溶接電源の供給や、計測信号の取り出しを可能とするSEMポートを新たに試作し、これにより、満足なナノ溶接実験がSEM内で実施可能となった。 3.金属ナノコンタクト部における溶融現象の観察と溶接 直径約800nmのPt細線を接触させて形成した金属ナノコンタクト部に直流電流を付与し、ジュール発熱によるコンタクト部での溶融現象を高分解能デジタル顕微鏡下で観察した。ここに金属ナノコンタクト部の溶融は、ある電流値以上で生じた。長さの異なる様々なPt細線同士の組合せでコンタクト部を溶融した後、コンタクト部を凝固させ、当該細線同士を溶接することに成功した。
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