研究課題/領域番号 |
19656039
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 芳美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50107546)
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研究分担者 |
石田 徹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20313421)
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キーワード | 軸流マイクロポンプ / インデューサ / マイクロ加工 / 超精密加工 / 5軸制御 / CAMシステム |
研究概要 |
本研究は、超精密マイクロ加工技術、特に5軸制御加工技術を活用し、体血液輸送用軸流マイクロポンプの製作、中でもその中心となるインデューサの加工をしようとするものであり、以下の結果を得た。 1.流体機器の専門家の協力を仰ぎ、軸流ポンプの核となるインデューサの設計をした。液体ロケット用エンジンのターボポンプを真似て、これを最大径5mmまでに縮小したものをマイクロインデューサとして定義した。数値計算とターボポンプの縮小モデルから3次元CADシステムで形状設計を行い、3枚の等配されたスパイラルの羽根形状データを得た。 2.設計されたマイクロインデューサを現有の超精密マシニングセンタで同時5軸制御加工をするためのNC情報を生成するCAMシステムを開発した。狭い羽根の間を、干渉を回避しながら、極めて薄い羽根を破損することなく加工できるよう工具経路生成法を工夫した。 3.インデューサの羽根形状に基づき、加工に使用する工具としてダイヤモンドのボールエンドミルを設計し、これを専門メーカに発注するとともに、工具の取付け誤差低減法を工夫した。加工し易い無酸素銅で試作を行うが、そのための加工条件も検討した。人体に適合したチタンなどの材料は加工しにくいこともあり、研究期間中には対応できなくて今後の課題とした。 4.ケーシングを加工するとともに、ベアリングやモータを購入し、マイクロポンプを組み立てた。完成したマイクロポンプに入出用の配管系を取り付け、作動液体として水による性能評価の実験を行ったところ、ポンプとしての性能が得られ、マイクロポンプシステムのプロトタイプが完成できた。 5.体血液輸送用ポンプとしての性能を確認する必要があるが、インデューサの材料と血液の相互反応や影響などがあるので、チタンなどの材料によるポンプシステム構築を次の研究材料とする。
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