本年度は、まずミクロスケールにおける気液界面への粒子吸着挙動について詳細な観察を可能とするために、実験観察装置の検討および構築を行った。具体的には、本年度予算で新たに導入した高分解能蛍光光学顕微鏡に、すでに所有しているハイスピードカメラ、ハイビジョンカメラ、デジタルカメラを組み合わせることにより、気液界面近傍での数十μm〜数百nm程度の大きさを持つ微粒子群の挙動を詳細に観察できるシステムを構築した。また、撮影により得られた連続画像から、粒子の位置や移動速度を検出できる粒子追跡プログラムを作成し、実際に撮影した画像について処理を行い、その精度を確認した。これに加え、気液界面を観測位置に固定できるよう設計したマイクロチャンネルを製作し、ここに流入速度や粒子濃度、粒径を変化させた微粒子懸濁液を流入させ、その吸着・反発挙動についての観察を行った。 来年度に実施を予定している微粒子吸着気泡の流体力学的基本特性の確認実験については、本年度は気泡の効率的な発生方法や、そのハンドリングなどについて文献調査や実験装置の検討を行った。その結果、マイクロバブルの生成に用いられる過飽和析出法が、微粒子吸着気泡の大量生成には適しているとの結論に至った。来年度は、この方法により実際に微粒子吸着気泡を生成し、詳細な観察を行う。
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