研究概要 |
未解明の流動現象を解明するために非接触で応力を計測できる手法の構築が望まれている。本研究では、ある種の蛍光色素を含有した液体が光弾性を有する特性を利用し、流動に起因する応力の3次元分布を計測する手法の確立を目的としている。この際、複数の方向から光弾性に伴う干渉縞を観測することにより、流れ場内応力の3次元分布計測を可能とする計測技術の基本原理確立を目指す。 本年度は、光源である既設Ar-ionレーザからの光を拡大し、測定場に照射する光学系を設計・製作した。また、光弾性効果により得られる干渉画像を精度良く取得できる光学系を選定・製作した。さらに,測定対象となる矩形ダクト実験装置を製作するとともに,液相流速分布をレーザドップラ流速計により測定し、本実験装置により層流および乱流を含む幅広いレイノルズ数範囲で発達したダクト内速度分布を実現できることを確認した。また、正確に応力を評価するため、Photobleaching分子タグ法を用いた速度勾配計測を実施した。さらに、蛍光色素の光弾性特性に関する基礎実験を実施し、蛍光色素としてローダミンBを用いることにより光弾性が生じること、および光弾性による干渉縞が可視化できることを確認した。また、蛍光色素の濃度が取得画像の鮮明度に及ぼす影響を調べた。また、撮影画像から応力を評価するための基礎式を整理するとともに、画像から応力を評価するプログラムのフレームワークを作成した。
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