研究概要 |
フォトリソグラフィー手法により格子状,斑点状のパターニングを行い,その面に超撥水めっきを施すことで格子,斑点パターンの超撥水・親水混合伝熱面を作成した.超撥水面と親水面の面積比は,格子パターンでは3×3mm,4×4mm,5×5mmにおいて1:1であるが,斑点パターンでは格子直径が3mm,4mm,5mmのときそれぞれ1:2,1:1,10:1となっている。これらの伝熱面を用いたプール沸騰での実験結果を沸騰特性曲線で表すと斑点パターンでは超撥水部の面積が小さいほうが伝熱はよくなることを示した,面積比が同じである格子パターンではほとんど変わらず,格子,斑点とパターンが変わった場合でも面積比が同じであればほぼ同じ結果となった.限界熱流束は,格子パターンでは変わらず,斑点パターンでは超撥水部の面積が小さいほうが高くなることを示した.発砲開始過熱度については明確な違いが見られなかった.ここでは超撥水に対して親水部としているが,実際は銅を鏡面仕上げした面であるため,比較的接触角は大きくなった.比較のために,全面を超撥水加工した伝熱面と鏡面仕上げした伝熱面を用いてプール沸騰実験を行った.超撥水面の沸騰には鏡面仕上げ面のような核沸騰域が存在せず,過熱度がわずか3.OKにおいても超撥水面では伝熱面のほぼ全体が蒸気膜に覆われ,膜沸騰のように大きな気泡が発生された.蒸気膜は超撥水面と鏡面仕上げ面の膜沸騰域ではほぼ重なり,低い過熱度から膜沸騰していることがわかった.
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