本研究は、光ファイバー先端の弾性体微小球構造における表面プラズモン共鳴を利用したマイクロスペース圧力センサーの開発を目的とする。具体的には、光ファイバー先端に接着された貴金属薄膜で被覆された弾性体高分子ナノ微小球の外部圧力によって生じる変形を、光ファイバーからの励起光による表面プラズモン共鳴波長変化によって高感度に検出する新規な原理に基づくもので、光ファイバー直径が10mから100m程度であるため、微小領域の高感度な圧カセンシングを期待できる。 平成19年度は、以下のような知見が得られた。 1)2層状ナノ粒子薄膜の作製 直径100nm程度の誘電体微粒子薄膜の六方細密構造をガラス基板上に形成する方法として、線状集束レーザーによる光トラッピング方位制御技術を開発した。粒子薄膜の方位制御性、粒子薄膜形成に必要なトラップレーザーの出力、粒子薄膜を形成できる粒子直径の限界等を実験的に明らかにした。 2)単層ナノ粒子薄膜のプラズモン共鳴特性 前述の単層ナノ粒子薄膜の表面プラズモン共鳴特性を、白色光源と分光器を用いて測定した。さらに、歪みゲージを間に挟んで薄膜に圧力を加えながら、反射光の分光特性を求め、これによって圧力に対する吸収ピーク波長を求めて、圧力感度係数を明らかにした。また、ナノ粒子薄膜の粒径や貴金属薄膜の厚さに対する圧力感度係数を求め、それらの関係を明らかにした。
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