研究概要 |
19年度の科学研究費助成により,レーザ顕微鏡を利用したジッターフリーナノ微粒子群3次元光メモリの研究開発を行い,下記に挙げるいくつかの成果を得ることができた。 (1)微小球配列三次元光ディスクの作製成果 これまでは直径500nmサイズの微小球を使用して,干渉露光によって形成した2次元格子上へ3次元に均一配列させる方法として,引き上げ法や凝固法を検討してきた。本研究では更に情報の高記録密度化を達成するために,直径300nmサイズの微小球を使用して3次元光ディスクの作製を行った。結果,微小球懸濁液にドデジル酸をドープし,濡れ性の向上を図った溶液により,スピンコート法を用いることで微小面積ではあるが3次元微小球光ディスクの作製に成功した。 (2)再生光学系の基本設計成果 微小球のサイズダウンに伴って,共焦点光学顕微鏡の空間分解能を大幅に向上する必要がある。対物レンズの開口数と焦点深度によって制限を受ける通常の共焦点光学顕微鏡では得られる分解能が高々500nm程度となり,これをクリアしない限り,300nmサイズの微小球検出は難しいことが分かった。但し,光軸方向のみではあるが,分解能の壁を打破できる新技術開発の糸口をつかんだ。そのブレークスルーとして次年度は偏光干渉を利用した共焦点顕微光学系の導入を試みる予定である。原理的には十分検出に耐えうるシステムであることが基礎実験から証明できた。本研究についての今年度の成果は国際会議(Micro Optics Conference2007)で発表され,併せて現在JJAPおよび国際会議(Inernational Commission for Optics2008)に投稿中である。
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