研究課題/領域番号 |
19656084
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80250489)
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研究分担者 |
浅井 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00312380)
廣瀬 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70396315)
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キーワード | 量子ドット / 反応拡散系 / センサ / 単電子 / 擬似生命体 / 非線形振動 |
研究概要 |
本センサは量子ドット集積体による電子的な反応拡散系からなる。反応拡散系の構成要素は非線形振動によるリズムを発生する反応セルである。単電子回路で非線形振動セルをつくるために量子ドット構造を利用した。すなわち量子ドットと基板との間に単電子トンネル接合をつくり、その単電子回路に多重トンネル接合でバイアス電流を流す。この単電子回路はクーロンブロッケードが成立する温度のもとで振動を生じるので、それを非線形振動子として利用する。振動の非線形特性は回路パラメータによって異なる。利用できるナノ構造製作プロセスのもとで必要な非線形特性が生じるように量子ドット構造を設計した。 隣接する量子ドット非線形振動セルを結合して共鳴や引込みの現象を生じさせる必要がある。本来の反応拡散系では化学物質の拡散が結合の役割を演じている。一方、本研究の量子ドット反応拡散系では拡散現象に類似した電子的な結合が必要になる。その方法として量子ドット間をキャパシタ結合し、トンネル待ち時間を利用して「拡散現象の遅れ効果」を電子的に模擬した。 この結合量子ドット振動子のネットワーク構造を量子ドット集積体上に実現するために、デバイス構造と回路パラメータを設計し、シミュレーション上で反応拡散系としての動作が生じることを確認した。
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