研究概要 |
本研究の目的は,X線入射によりCdTeダイオード内で発生する正孔によるイメージパターンを微小電子源アレイからの電子ビームで読み出すことにより超高精細の微小電子源アレイ駆動CdTeX線イメージセンサを開発することである。本年度は,新型の集束電極一体型微小電子源の開発と12x12マトリクスからなる微小電子源アレイを製作し,微小電子源アレイ駆動CdTeX線イメージセンサでX線画像を得ることを目標とした。 ・集束電極一体型微小電子源 リアクティブイオンエッチングとエッチバック法を用いて,集束電極の高さを電子引き出し電極の高さより低くした新構造のシリコン集束電極一体型微小電子源を製作した。この電子源では,集束動作時においても,アノードに到達する電流量をマイクロアンペア以上に保つことができることがわかった。これは,従来の集束電極一体型微小電子源の欠点である,集束動作時におけるアノードに到達する電流量の著しい減少を克服するものであり,集東電極一体型微小電子源におけるブレークスルーである。 ・微小電子源アレイ駆動CdTeX線イメージセンサの開発 12xl2マトリクスからなる微小電子源アレイを製作した。CdTeショットキーダイオードとこの微小電子源アレイを組み合わせ,微小電子源アレイからの電子ビームでCdTeダイオードの正孔イメージパターンを読み出すX線センサを製作した。この微小電子源アレイ駆動CdTeショットキーダイオードはX線センサとして動作することを確認した。また,12xl2マトリクスの全ての画素は動作しなかったが,動作した画素を用い製作した微小電子源アレイ駆動CdTeX線イメージセンサで簡単なX線画像を得ることに成功した。
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