研究概要 |
本研究は,中央防災会議が指摘する「1日以内に緊急車両の通行機能を確保する橋梁の耐震化」あるいは,更に一歩進めて「1日以内に普通車両の通行機能をも確保する橋梁の耐震化」実現を目指す.従来の耐震補強法のように,主構造(例えば,橋脚,アーチリブ)の塑性変形によって地震のエネルギーを吸収させる構造では,主構造の損傷のため修復に長期間を要し,通行機能に重大な支障を来す場合がある.そこで,主構造は出来るだけ健全な状態に保ち,その代わり複数回の地震に耐えうる高度のエネルギー吸収・消散機能を持つ制震ダンパーに塑性変形(損傷)を集中させ,地震直後から通行機能を確保する橋梁の制震構造化に注目する.本研究は,その要となる制震ダンパーとして,座屈拘束ブレース(BRB)を取り上げ,新素材を活用することにより,従来よりも格段に高い性能を持つBRB(高機能BRBと称する)を開発し,研究目標達成の基礎を築く. 本年度は,鋼材よりも軽量で,安全性の要求性能の大きい素材として,アルミニュームを取り上げた.アルミニュウムは,鋼材と違い,繰り返し荷重下での性質がほとんど研究されていないため,繰り返し引張りー圧縮載荷実験を行い,その結果を基に,鋼材に用いられている修正2曲面の考えを発展させて構成則の開発を行った.
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