近年、防災、環境、都市景観などへの関心の高まりとともに、高精細な三次元地理空間データやそのアプリケーションへの要望が高まってきている。例えば、高精度な津波の浸水や遡上のシミュレーションを可能にするため、高精度三次元計測データによる海岸周辺の微地形データを取得したり、危険区域を抽出したり、基盤図作成により効果的に行うことを可能にするために、高分解航空写真測量やレーザ計測による微地形データを取得するなどが事例としてある。三次元計測で作成した三次元都市モデルデータを利用して、高層マンションの眺望や日影のシミュレーションが可能になる。近年建設ラッシュの高層マンションなどの計画で利用されている。三次元計測データを利用し格子データを作成し、風環境解析を行う事例もある。三次元計測の緻密なデータを用いることで、三次元的に乱れた複雑な風を解析することが可能になる。 本研究は、(株)宇宙情報技術研究所と東京大学が共同で開発されたSTARIMAGERという高分解能ラインセンサの高解像度スリライン画像から高精細な三次元都市モデルを再現する上でボトルネックとなっていたデータ取得やモデル構築に関する生産性や品質の問題を解決し、3次元のディジタル都市モデルを詳細迅速かつ安値に提供することを目的としており、今後、新しい空間コンテンツ産業の創出に寄与することを目指すものである。
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