第2年度にあたる平成20年度は、以下の研究課題に取り組み、成果を得た。 1.センサプローブの改良、センサ駆動ユニットの改良 これまで用いてきた近赤外光センサのプローブ(赤外光照射および反射光受光のユニット)は、手指付け根に装着するタイプである。手指付け根は心的緊張度の変化に伴う近赤外光反射量の感度が高いといわれているからである。しかし、計測機器としての実用性を高めるには、特に自動車運転時の被計測者の負担を軽減するためには、手首など、より体幹に近く動作頻度の低い体部位に装着できるプローブの方が望ましい。しかし、単純にプローブ装着位置を変更すると、肝心の近赤外光反射量・感度が低下することが懸念される。そこで、近赤外光照射サンプリング周波数など、センサ駆動ユニットの基本パラメータも合わせて改良した。 2.実地走行実験によるデータ取得と評価指標の検討 昨年度と同様の条件で被験者数23名、走行ケース数延べ230弱の実道路における実験走行データの取得し、心的緊張度指標(候補群)の特性把握、手首プローブと手指プローブの比較をいった。その結果として、手首、手指の相関、反応遅れ、などと運転環境、個人特性の関連性について、新知見につながることが大いに期待できる予備的結論を多数得た。 最終年度にあたる平成21年度には、上記2のデータの詳細分析と、指標特性の確証のための実験を行い、自動車運転時の潜在的危険度や心的緊張度を客観的に評価する手法を提案するための諸検討を行う。
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