本年度に行った研究は以下の3点である。1.本研究で提案する「スリッパ型RFIDリーダ」によって人間の歩行行動をどの程度の精度で捉えることができるかについての検証、2.精度を向上させるために、RFIDタグの配置レイアウトや配置間隔をどのようにすればいいかについての検証、3.歩行行動履歴によるムーバブルプランニングを実現するためのアルゴリズム作成。それぞれの研究結果を以下に記す。 1.RFIDタグの「貼付レイアウト」「貼付間隔」とRFIDリーダのスリッパ底面に対する「設置位置」をパラメータとして扱い、はじめに、「正方形グリッド」「300/600/900mm」「かかと/つま先」これらの条件のなかから最も高精度となる組み合わせを検証した。その結果、「300mm」「かかと」の時が自由歩行時のトレース精度を60%として得ることが出来ることがわかった。 2.上記1の結果より、さらなる精度向上が望まれた。ここでは1の条件の他に、RFIDリーダの大きさ「小/大」をパラメータに加え、貼付レイアウトを「正三角形グリッド」に変更した。その結果、「300mm」「かかと/つま先」「大」の条件で精度が80%を超える結果となった。 3.歩行行動履歴を「スリッパ型RFIDリーダ」によって精度よく捉えられることが結果1、2より明らかになった。ここで得られたデータを分析することで、歩行行動を可視化する手段を2種類(ポテンシャルマップ方式・動線方式)得た。これらによるプランニング生成アルゴリズムについて検討を行った。
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