研究課題/領域番号 |
19656154
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
齊木 崇人 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (90195967)
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研究分担者 |
陣内 秀信 法政大学, 工学部, 教授 (40134481)
佐藤 優 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20093958)
東 恵子 東海大学, 開発工学部, 教授 (80149400)
山之内 誠 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 准教授 (40330493)
上原 三知 信州大学, 農学部, 助教 (40412093)
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キーワード | 瀬戸内 / シーボルト / 地域活性 / 固有価値 / 沿海域景観 / ケンペル / リヒトホーフェン / 宮本常一 |
研究概要 |
瀬戸内沿海はかつて、海の路として、また生活圏域として、産業・経済・文化を支えてきた。しかし現代では、陸上交通の整備が進む一方、少子高齢化や過疎化、経済の低迷により、臨海諸島地域は年々衰退し、圏域としての活力を失いつつある。 本研究は、「沿海景観-」「土地利用」「環境デザイン」の視点から、瀬戸内沿海文化の実態を現地調査によって把握し、合わせてその歴史的変遷を、シーボルトが江戸時代に評価し「日記」に記録した文献資料を通じて、瀬戸内海諸地域の沿海景観の固有価値を再評価することを目的としている。究極の目的として、再評価された沿海景観の固有価値を生かし、瀬戸内海諸地域の活性化への方途を提言する。 平成19年度の現地調査は、8月20日〜26日に、瀬戸内海の実態把握を目的として行った。船舶をチャーターし、神戸港第一突堤を起点とし、明石、淡路、高砂、姫路、室津、家島群島、赤穂、日生、小豆島、笠岡諸島、塩飽諸島、備讃諸島、直島諸島、尾道、阿伏兎瀬戸、しまなみ諸島、芸予諸島、防予諸島、周防大島、上関等、沿海諸地域を巡り、小倉港に至った。本年度の現地調査は、次年度の詳細調査の予備調査として位置づけ、シーボルトが評価し記録した沿海文化の現状を把握。また、民俗学者宮本常一による、瀬戸内沿海文化の既往研究にも着目し、主に土地利用の観点から、現状を把握した。また、現地調査では、研究組織の打ち合わせも行い、次年度の詳細調査の対象地の選定と、調査すべき内容の整理を行った。 文献資料調査は、まず「シーボルト『日本』」を基に、シーボルトが1823年に巡った瀬戸内海での航路と、シーボルトが評価した文化景観の抽出を行った。また、シーボルト以前に江戸参府を経験した、ドイツ人医師ケンペルの「江戸参府旅行日記」、明治維新前後に日本を調査したドイツ人医師リヒトホーフェンの「日本滞在記」、宮本常一の「瀬戸内海の研究(一)」にも着目し文献調査を行った。
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