研究課題/領域番号 |
19656157
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研究機関 | 鳥取環境大学 |
研究代表者 |
浅川 滋男 鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (90183730)
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研究分担者 |
張 漢賢 鳥取環境大学, 環境情報学部, 准教授 (80341064)
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キーワード | ハロン湾 / 水上集落 / 文化的景観 / 世界遺産 / 筏住居 / 家船 / CGシミュレーション / 居住動態 |
研究概要 |
2009年度は2007~08年度におこなった調査研究を総括し、報告書の編集・刊行に集中した。以下、目次を示す。 第1章 世界遺産と文化的景観 第1節「文化的景観」とは何か 第2節 世界自然遺産ハロン湾の文化的景観 第2章 ハロン湾の水上集落 第1節 地理と歴史 第2節 漁民の居住動態 第3節 水上集落の測量と景観分析 第3章 ハロン湾水上集落景観の評価と課題 第1節 評価(1)世界遺産の文化的景観として 第2節 評価(2)居住動態と文化的景観 第3節 評価(3)筏住居の再評価 第4節 課題なにを「改善」すべきか 第1章では、世界遺産条約における「文化的景観」の意義と内容を説明し、世界自然遺産ハロン湾の景観は自然物の審美的景観だけでなく、漁民の水上集落と海面地形との融合である文化的景観が重要な意味をもち、それは文化遺産の一つとして評価の対象になることを述べた。第2章ではハロンの地理・歴史を概括した上で、クアバン村での調査・測量の成果を報告し、CGシミュレーションを駆使した景観分析についてまとめた。第3章ではハロン湾の文化的景観をさまざまな側面から評価し、今後の方向性を示唆した。本報告書の目玉となるものは、地理情報の集積に基づく近未来水上集落景観のシミュレーションである。それはベトナム政府が提案している未来型水上建築を用いたシミュレーションであるが、そのシミュレーションが示す近未来の集落景観は世界自然遺産ハロン湾の景観をスケールと意匠の両面で不適合であることを主張した。本論の主眼とするところは、漁民たちの暮らしている筏住居の再評価である。環境負荷が少なく、景観的調和をもたらしている筏住居の持続的発展こそが肝要であることを結論とした。なお、補足調査として、中国広東郊外の世界文化遺産「開平の村落と望楼」を視察した。
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