研究課題/領域番号 |
19656175
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 義倫 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (30374995)
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研究分担者 |
田路 和幸 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10175474)
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
宇尾 基弘 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (20242042)
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キーワード | 新機能材料 / 希土類炭化物内包カーボンカプセル / モニタリング材料 |
研究概要 |
カーボンナノカプセル(Carbon Nanocapsules: CNCs)は、カプセル状のグラフェンシートを幾重にも重ねた構造をしており、その大きさは10〜100nm程度である。CNCsの大きな特徴の一つとして、金属を内包している点が挙げられる。CNCsが内包できる金属は希土類炭化物であるが、化学的に安定であるグラフェンシートによって覆われた希土類炭化物は大気中、水溶液中、濃硫酸中においても他の物質に化学変化せず、安定した状態で存在することができる。これにより、MRIの造影剤、CTの造影剤などの生体内でのモニタリング剤として可能性を秘めた材料である。本年度は炭化ガドリニウム内包カーボンカプセル(GdC_2@CNCs)の高収率合成を行った。GdC_2@CNCsの合成は、金属触媒を充填した陽極炭素棒のアーク放電によって行った。陰極には直径16mm、長さ45mmのグラファイトロッド、陽極には直径6.0mm、長さ85mmのグラファイトロッドに直径3.2mm、深さ65mmの穴を開け、そこにGd_2O_3とグラファイトを任意の重量比で混合した混合粉末を充填した。 GdC_2@CNCs高収率合成条件は陽極ロッド中のGd濃度1.3at.%(充填するGd_2O_3とグラファイトの質量比1:1)、アーク放電電流70A、He圧力100 Torrであることが判明した。陽極ロッド中の金属濃度については、一定量以上に増加させても堆積物中に不純物として存在する金属酸化物の量が増加するのみであり、CNCsに内包される金属の量が増加することはなく、He圧力については100 Torrで合成することで不純物としてのグラファイトの発生量を減少させ、より効率よく希土類炭化物内包CNCsが合成することが可能であることが明らかになった。本成果は、2008 MRS Fall Meeting で発表し、注目を浴びた。
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