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2008 年度 実績報告書

マテリアル・ボーンバイオロジーの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19656180
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 貴由  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30243182)

研究分担者 多根 正和  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80379099)
永瀬 丈嗣  大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教 (50362661)
キーワードボーンバイオロジー / 生体材料 / 微小領域X線回折法 / 骨質 / 異方性インプラント / 応力遮蔽効果 / 表面溝 / 多孔質体
研究概要

医学・生物学的手法とともに、材料工学的手法によるマテリアルバイオロジー構築のための機能性金属ならびに機能性金属系インプラントの有効性を実証することを目的とした。同時に骨微細構造の立場からの骨質の解析法を樹立することを目指した。その結果、本年度は様々な合金組成や形状を持つインプラントを用いて、in vivo、in vitroでの骨質、骨量の再生について、最適化を試みるとともに、その再生機構、さらには「Material Bone Biology(マテリアル・ボーンバイオロジー)」、いわゆる材料骨生物学という、生体骨と金属材料をはじめとするマテリアルとの近未来型の新たな関係を築くための礎を構築した。
単孔型小型インプラントにおける孔内新生骨の再生では、例えば長管骨において、微細構造の配向性が新生骨の形成に極めて関係が深いことを明らかにした。これは、2次元PSPC搭載微小領域X線回折法を駆使することで達成され、新生骨は骨長手方向に対して、高い骨質を示す。一方で、3次元的な表面溝構造を有する場合には、骨量の回復は骨長手方向との傾角には強く依存せず、骨質のみへの影響が示唆された。さらに、直列型インプラントにおいては、応力遮蔽効果の影響が小さく、溝構造と主応力方向との相関関係が重要であった。さらに、人為的な積層によるポーラスインプラントの作製は、骨配向化の促進に対し有効であるものと考えられ、実際に0.3μm程度の任意形状でのソリッド部を有する場合には、低ヤング率特性を発揮可能なインプラントとなった。
以上の知見は、金属の異方性を利用することで、骨再生機能を高めることを可能とする新たな技術として、今後期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 異方性のバイオマテリアルサイエンス2009

    • 著者名/発表者名
      中野貴由
    • 雑誌名

      日本バイオマテリアル学会 27

      ページ: 5-6

  • [雑誌論文] The evaluation of preferential alignment of biological apatite(BAp)crystallites in bone using transmission x-ray diffraction method, Advance in x-ray Analysis2008

    • 著者名/発表者名
      K. Sasaki, T. Sasaki, T. Nakano, et al.
    • 雑誌名

      Advance in X-ray Analysis 51

      ページ: 155-161

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peculiar elastic behavior of Ti-Nb-Ta-Zr single crystals2008

    • 著者名/発表者名
      M. Tane, S. Akita, T Nakano, et al.
    • 雑誌名

      Acta Materialia 56

      ページ: 2856-2863

    • 査読あり
  • [学会発表] コラーゲン走行に基づくアパタイトの石灰化と配向形成2008

    • 著者名/発表者名
      中野貴由
    • 学会等名
      第28回骨形態計測学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-07-27
  • [図書] ますます重要になる細胞周辺環境の科学技術-細胞の存在、増殖、機能のコントロールから再生医療まで-2009

    • 著者名/発表者名
      中野貴由, 石本卓也
    • 出版者
      (株)メディカル ドウ(in press)(未定)
  • [備考]

    • URL

      http://www.mat.eng.osaka-u.ac.jp/msp6/MSP6-HomeJ.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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