研究課題/領域番号 |
19656181
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青木 秀充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10419468)
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研究分担者 |
杉野 隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90206417)
木村 千春 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90372630)
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キーワード | 燃料電池 / 固体高分子型 / ギ酸アンモニウム / 固体燃料 / 携帯 / 安全 / 粉末 / テロ対策 |
研究概要 |
携帯用のメタノール燃料は、CO被毒、クロスオーバー、燃料の引火性などの課題がある。一方、ギ酸燃料は反応中にCOを発生しにくく被毒問題を解決できる可能性があり、また燃料のクロスオーバーも抑制できる。我々は、安全で携帯性に優れる固体(粉末)燃料としてギ酸塩を提案し、基本的な特性評価と向上を検討した。H19年度は、以下の4つ項目に対して研究成果を得た。1)ギ酸塩各種の基本な電気化学的な反応の解析、基本発電性能の確認:各種ギ酸塩の酸化特性をサイクリックボルタンメトリ(CV)を用いて評価した結果、ギ酸アンモニウムがもっとも高い酸化特性を示した。また、CV特性におけるギ酸アンモニウムの酸化電流ピーク値は、濃度1mol/Lで最も高くなり、ギ酸の2倍、メタノールの12倍の酸化特性を示した。更に、簡易発電用セルを作製し、ギ酸アンモニウムで発電できることを確認した。2)ギ酸塩(化合物)に対して良好な電極材料の基本検討:ギ酸アンモニウムを燃料とした場合、電極には従来メタノール用に使用されている触媒材料(Pt-Ru)よりも、Pt-Ir、更にはPt-Pdを用いた方が高い酸化特性が向上することを見出した。3)ギ酸塩(化合物)に対して良好な電解膜の基本検討:ナフィオン系電解膜を用いた場合、膜厚を約1/4に薄くすることにより、発電性能を約30%向上することができた。また、薄膜をセルに固定する場合の課題に対して、改善も図った。4)ギ酸塩(化合物)燃料の供給方式の基礎検討:ギ酸アンモニウム粉末を徐放性膜を通して溶解する時の速度を、電気化学的にモニターする方式を確立した。徐放性膜として限外ろ過膜を用いると、所定の溶解速度が得られないことがわかり、ろ紙状の膜にて検討する方針で検討を進めている。
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