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2008 年度 実績報告書

鉄鋼材料におけるカソード分極時の異常腐食と水素吸収に伴う腐食の促進

研究課題

研究課題/領域番号 19656194
研究機関福井工業大学

研究代表者

羽木 秀樹  福井工業大学, 工学部, 教授 (40117213)

キーワード水素 / 腐食 / 水素分析 / ステンレス鋼 / カソード分極 / 表面観察 / 水素濃度 / 水素侵入反応
研究概要

カソード分極に伴う鉄鋼材料の異常腐食挙動の原因を、特に鉄鋼材料中への水素侵入に注目して、検討した。今年度は、Ni濃度そして耐食性が異なるSUS430、SUS301、SUS316、SUS304の4種類のステンレス鋼をカソード分極して表面観察と水素分析を行い、異常腐食現象の把握および水素濃度との関係を調べた。得られた実験結果は次のように纏められる:
1.カソード分極に伴うSUS301、SUS304、SUS316ステンレス鋼試料への水素侵入は、分極初期において水素拡散律速であるが、長時間分極すると表面反応律速に変化した。また、SUS430ステンレス鋼試料の場合には、分極時間にかかわらず表面反応律速であった。
2.カソード分極によってSUS430ステンレス鋼試料の表面は黒くなった。このことから、SUS430ステンレス鋼試料において異常腐食が起こることが再確認できた。また、SUS316ステンレス鋼試料を長時間カソード分極した場合にも試料表面全体が黒っぽくなり、結晶粒内に多くの線状模様が認められた。詳細な表面観察からこの縞状模様は微小クラックであることがわかった。このことから、良好な耐食性を有するとされているSUS316ステンレス鋼でも異常腐食が起こることが確かめられ、この場合には微小クラックの発生が影響を及ぼしている可能性があることがわかった。
3.長時間カソード分極すると、異常腐食が顕著となって試料が電解液中に落下することがあった。このような顕著な異常腐食は、Ni濃度の大きなステンレス鋼の方が著しかった。ステンレス鋼中のNi濃度が大きいほど多量の水素が侵入し、異常腐食現象は水素侵入と大きな関係があることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] カソード分極に伴うSUS304ステンレス鋼への水素侵入と水素脆化2008

    • 著者名/発表者名
      羽木秀樹, 柳川聡寛
    • 雑誌名

      福井工業大学研究紀要 38

      ページ: 99-106

    • 査読あり
  • [学会発表] 眼鏡用金属材料と水素のお話2009

    • 著者名/発表者名
      羽木秀樹
    • 学会等名
      日本金属学会北陸信越支部・日本鉄鋼協会北陸信越支部 平成20年度第2回「材料フォーラム」
    • 発表場所
      福井県鯖江市
    • 年月日
      2009-03-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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