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2009 年度 実績報告書

複雑な構造体中に微量分散する白金族金属の新規な高効率回収法

研究課題

研究課題/領域番号 19656197
研究機関東京大学

研究代表者

岡部 徹  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00280884)

キーワード白金族金属 / リサイクル / レアメタル / 塩化処理 / 非鉄製錬
研究概要

自動車触媒の基幹素材である白金族金属の高効率リサイクルプロセスを確立することは、資源セキュリティーや地球環境の保全を考えると緊急の課題であるが、化学的に極めて安定な白金族金属を酸に溶解する湿式法では強力な酸化剤を用いた長時間の処理が必要であり、処理困難な沈殿物や廃液が多量に発生し環境に悪影響を及ぼすという問題点が発生する。これらの問題点を解決するためには、「強力な酸化剤を含まず処理時間の短い白金族金属の新しい回収プロセス」を構築する必要がある。そこで、白金族金属をマグネシウム(Mg)などの活性金属(R)と合金化させる処理を施すことによって一旦R-Pt合金を生成し、さらに合金化処理を施した白金族金属を塩化物と反応させ、酸に易溶性の白金塩化物を予め生成させることにより、強力な酸化剤を使用しなくても白金を酸に溶解させることができる新しい手法を確立することを目的とした研究を行った。近年需要が拡大し、高効率リサイクルの必要性が急激に増しているルテニウム等の白金族金属において、合金化および塩化処理の基礎実験から一定の成果が得られた。
平成22年度の研究では、Pt以外のRu、Rh、Irを活性金属であるMgとの合金化条件およびCuCl_2による塩化条件を検討した。Mgとの合金化処理および、CuCl_2を用いた塩化処理により、Ptの10M HCl aq.への溶解率は約60%となった。Ru、Rh、Irに関しても、それらの純金属では、10M HCl aq.には全く溶解しない一方で、合金化処理、塩化処理によって溶解率は10~30%程度まで大幅に改善されることが実証された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] レアメタルリサイクルの現状と今後2009

    • 著者名/発表者名
      岡部徹
    • 雑誌名

      環境浄化技術 8

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] レアメタルの最近の情勢2009

    • 著者名/発表者名
      岡部徹
    • 雑誌名

      ペトロテック 32

      ページ: 862-869

  • [学会発表] レアメタルのリサイクル2010

    • 著者名/発表者名
      岡部徹
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会(2010)
    • 発表場所
      近畿大学本部キャンパス、大阪
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] New Process for Separation and Recovery of Platinum Group Metals2010

    • 著者名/発表者名
      湯川剛, 森田一樹, 岡部徹
    • 学会等名
      The 139th TMS Annual Meeting
    • 発表場所
      Seattle, U.S.A.
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] 白金族金属の新しい分離・回収法の開発2009

    • 著者名/発表者名
      湯川剛, 森田一樹, 岡部徹
    • 学会等名
      資源・素材2009(札幌)秋季大会
    • 発表場所
      北海道大学工学部、札幌
    • 年月日
      2009-09-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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