内部加熱可能なマイクロハニカムの創製には、まずは粒子状の多孔質材料とマイクロ波吸収率の高い材料の粒子を混合したゾルをゲル化させ、両粒子が均一に分散された湿潤ゲルを準備した。これに一定速度で低温の恒温槽に挿入させることで一方向に凍結し、粒子混合湿潤ゲルをマイクロハニカム状に成型した(氷晶テンプレート法)。その後、解凍、乾燥により試料を完成させた。多孔質材料のモデル物質には種々の材料が利用可能であるが、今回はマイクロ波吸収率が低いSiO_2で構成され、触媒や吸着剤として広く利用されているハイシリカY型ゼオライトをモデル物質に使用した。マイクロ波を良好に吸収する材料には当初SiCを使用する予定であったが、これに加えMS5Aの微粒子についても検討を行った。 シリカゾルにハイシリカゼオライトやSiC、MS5A等の微粒子を混合してゲル化させ、得られたゲルに氷晶テンプレート法を適用することで、マイクロハニカム状の成型体が得られることが確認できた。これにマイクロ波を照射することでSiCやMS5Aを含まない同様な材料と比較して短時間に昇温させることが可能であることが確認できた。SiCよりもMS5Aを混合させた方が効果が高かった。さらた、通常は水の沸点程度にしか昇温することができないが、今回作製した材料はそれよりも非常に高い温度まで昇温できることが分かった。よって材料の乾燥のみならず、再生等もマイクロ波で簡単に実施できる可能性が示唆された。
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