研究概要 |
「バイオメンブレン・クロマトグラフィー」を開発するために,最小分離基材となる「超機能性リポソーム(生体膜Mimics)」の調製を中心として,次の3段階に分けて研究を進めてきた:(第1段階)超機能性リポソームの調製ならびに機能評価;(第2段階)超機能性リポソームの固定化ならびに安定性評価;(第3段階)バイオメンブレン・クロマトグラフィーの基礎 最終年度は,バイオメンブレン・クロマトグラフィーの基礎データ蓄積と,工学的な応用について検討した.特に,【高度分離】ならびに【反応分離】に主眼においた,下記の2つのケーススタディを対象として,基礎と応用を密接にリンクさせた. [ケーススタディ] (A)高度分離モード:Alzheimer症関連ペプチドの構造状態の解析 (B)反応/分離モード:リポソームをコア材料とする臓器代替デバイス(リポソーム人工臓器)の開発 Amyloid β-Peptideを始めとするアミロイド性タンパク質(ケーススタディ(A))や抗酸化酵素を始めとする機能性酵素(ケーススタディ(B))を対象として,ストレス負荷により分子認識モードを制御したバイオメンブレン・クロマトグラフィーを用いて網羅的に解析した.既存のクロマトグラフィー(イオン交換,アフィニティなど)で得られる情報と比較し,バイオメンブレン・クロマトグラフィーの特徴ならびにその利用方法を体系化した.
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